Product製品情報
アース棒について
接地(アース)の目的
主に絶縁不良や漏電による感電や火災などの事故を防ぐために、電気製品や電線路における金属製の筐体や管路・ボックス類を大地と同電位にすることを目的としています。
接地してないと漏電した家電などに触ってしまった場合、
手から身体に電気が流れて感電してしまいます。
接地している場合は漏電していても接地線を伝わり、
アース棒へ電気が流れるため、感電しません。
漏電遮断器を取り付けても接地(アース)は必要
接地を付けていない場合
漏電電流の行き場がなく、漏電遮断器は動作しません。
漏電が継続します。
接地を付けている場合
漏電電流はアース棒から変圧器の接地線を経由して流れます。漏電遮断器の零相変流器(ZCT)がこの漏電電流を検出して、漏電遮断器の接点を開放し、漏電を止めます。
接地の種類
- 保安用接地
感電事故防止ならびに異常電圧防止の観点から施工するもの。 - 機能用接地
コンピューターなどの電子応用機器の安定した稼働や電磁障害(ノイズ)対策を目的にするもの。 - その他
避雷針用接地、静電気防止接地など。
接地工事の種類、基準
種類 | 接地抵抗値 | 接地線の太さ | 対象施設 | 準拠規格 |
---|---|---|---|---|
A種※1 | 10Ω以下 | 2.6㎜以上の軟銅線 |
|
電気設備 技術基準 |
B種 | 変圧器の高圧側 または特別高圧側の電路の一線地絡電流値で 150を除した値以下※2 |
4mm以上の軟銅線 (15,000V以下の特別高圧、 又は高圧の場合2.6mm以上) |
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C種 | 10Ω以下※3 | 1.6㎜以上の軟銅線 |
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D種 | 100Ω以下※3 | 1.6㎜以上の軟銅線 |
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- 平成9年5月以前はA種は第1種、B種は第2種、C種は特別第3種、D種は第3種とされていました。
- 但し、自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置の遮断時間が1秒を超え、2秒以下の場合、300を除した値以下。また1秒以下の場合、600を除した値以下。
- 但し、地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下。
種類 | 接地抵抗値(参考) | 引下げ導体の太さ | 対象施設 | 準拠規格 |
---|---|---|---|---|
避雷設備 (避雷針) |
単独:50Ω以下 総合:10Ω以下 |
銅:16㎟以上 アルミ:25㎟以上 鉄:50㎟以上 |
|
JIS A 4201 (2003) |
接地種別の目的と役割例
A種接地は雷電流(誘導電流)などを大地に流し、落雷による配電線への影響(停電)などを防ぎます。
※A種接地は機器の漏電対策にも用いられます。
B種接地は高圧線と低圧線が接触した場合の高圧電流を大地に流し、低圧線の電圧上昇を防ぎます。
C種接地は300V超過の機器の劣化による漏電電流を大地に流し、感電や火災を防ぎます。
D種接地は300V以下の機器の劣化による漏電電流を大地に流し、感電や火災を防ぎます。
C種接地
D種接地
アース棒の仕様について
アース棒の材質および寸法は以下のように定められています。
- 過大な電流に耐える
- 必要な接地抵抗を有する
- 腐食に耐える
- 施工時、埋設された時の外的圧力に耐える機械的強度を有する
※詳細は次の規格で定められています。
- 内線規程 1350-7 接地極
- JIS A 4201 建築物等の雷保護 2.3 接地システム
内線規程1350-7「接地極」抜粋
- 埋設又は打込み接地極としては、銅板、銅棒、鉄管、鉄棒、銅覆鋼板、炭素被覆鋼棒などを用い、これをなるべく水気のあるところで、かつ、ガス、酸などのため腐食するおそれがない場所を選び、地中に埋設又は打込むこと。
- [接地極の選定](推奨)
①銅板を使用する場合は、厚さ0.7mm以上、大きさ900c㎡(片面)以上のものであること。
②銅棒、銅溶覆鋼棒を使用する場合は、直径8mm以上、長さ0.9m以上のものであること。
⑤銅覆鋼板を使用する場合は、厚さ1.6mm以上、長さ0.9m以上、面積250c㎡(片面)以上のものであること。
③、④、⑥、省略
接地工事について
接地抵抗
接地抵抗は次の合計値で決まります。
- 接地線、アース棒の導体抵抗
- アース棒表面とこれに接する土壌の接触抵抗
- 土壌の抵抗(大地抵抗率による)
※大地抵抗率は土の種類、含有率・温度により異なります。一般的には下表のようになります。
土壌の種類 | 大地抵抗率 ρ(Ω・m) |
---|---|
水田湿地(粘土質) | ~150 |
畑地(粘土質) | 10~200 |
水田・畑(表土下砂利層) | 100~1000 |
山地 | 100~2000 |
河岸・河床跡(砂利玉石積) | 1000~5000 |
山地(岩盤地帯) | 2000~5000 |
一般的な接地工事施工基準
- 接地極はなるべく湿気のある場所で、ガスなどにより腐食の恐れのない場所を選ぶこと。
- 接地極上端は地下75cm以上(特にA種、B種)とし、垂直に埋設すること。
- 接地線と接地する目的物および接地極との接続は、ろう付けその他確実な方法で、電気的および機械的に堅牢に施工すること。
- 避雷針の接地極および接地線は、他の接地極および接地線と2m以上離すこと。
- 接地工事の接地線には、緑色の標識を施すこと。
施工上の留意点
1本のアース棒(単独打込工法)で十分な接地抵抗が得られない場合、または大地抵抗率が高い現場では以下の方法を検討してください。
- アース棒を連結して深打ちする(連結打込工法)。
- 1本目のアース棒と並列に打ち込む(並列打込工法)。
- 太いアース棒にする(表面積を増やす)。
工法について
接地工事方法
【単独工法】
試験堀り後、アース棒を打込んでください。
接地抵抗を測定してください。
リード線に接地線を接続してください。
土を埋め戻してください。
【連結工法】
試験堀り後、打込ピンを叩いて、アース棒を打込んでください。
接地抵抗を測定してください。
ピンを取り除いて、リード端子を打込んでください。
リード線に接地線を接続してください。
土を埋め戻してください。
接地抵抗の測定
アース棒打込み後、必ず接地抵抗を測定してください。接地抵抗計の端子Eをアース棒に、10m離れた場所に打ち込んだ補助極に端子Pを、更に10m離れた場所に打ち込んだ補助極に端子Cを接続して測定します。コンクリートなど補助極を打ち込めない場合、側溝やU字溝などのコンクリート部を利用出来ます。利用に当たってはコンクリート部に水を掛け、補助極を寝かした上に濡れ雑巾などを掛けてください。
連結工法用アース棒の接地抵抗計算例
アース棒を連結することにより、表面積が増え、抵抗値が低くなります。
計算による低減効果[例]:連結用アース棒(φ14×1500mm)を大地抵抗率100Ω・の土壌に打ち込んだ場合
打込み深さ(m) | 連結本数(本) | 接地抵抗(Ω) |
---|---|---|
1.5 | 1 | 64.3 |
3 | 2 | 35.9 |
4.5 | 3 | 25.3 |
6 | 4 | 19.7 |
7.5 | 5 | 16.2 |
表層の抵抗率が低い場合は並列打込工法が適します。
表層の抵抗率が高い場合は連結打込工法が適します。
【新提案】リード端子かしめタイプ
【新工法】(リード端子の打込みと接地線との圧着、二つの工程を一工程で行えます)
アース棒を打ち込みます。
リード端子を打込むと同時に接地線と接続が可能です。
埋め戻して施工完了です。
【従来工法】(接地線とリード線の圧着が必要です)
アース棒を打ち込みます。
アース棒にリード端子を打込みます。
リード線と接地線を圧着します。
埋め戻して施工完了です。
【新提案】短尺型連結アース棒
アース棒が途中で打ち込み困難になった場合
当社製「キャップ形リード端子」の使用でアース棒の再利用が可能になります。
アース棒打ち込み中、地中の岩盤などに当たって打込めない時、アース棒を地中で切断します。
切断面はヤスリなどで面取りしてください。
接地抵抗値を確認してください。
アース棒にキャップ形リード端子を打込みます。
リード線に接地線を接続し、土を埋め戻してください。
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